白書が伝える専業工場の頑張り、「ディーラーとの差は縮小」している
平成24年版の「自動車整備白書」がこのほど日整連より発行されました。すでに総整備売上高が記録的な落ち込みを記録したことは本誌3月号でも紹介している通りですが、白書のなかから、専業工場とディーラー工場の生産性がどういう推移をたどっているかを見るために、関連資料を抽出してみました。 そこから見えるのは、専業工場とディーラー間で①整備工の給与格差は拡大、②しかし平均年齢はともに加齢している。③専業の売上高減少幅は大きいが、④付加価値を稼ぎだす両社の経営格差は縮小している。つまり、最近5年間では専業企業の踏ん張りが目立っているという結果でした。そこから解釈すると、専業工場は創意工夫次第で十分に生き残り得ることを証明しています。自信を持ちましょう。
自動車業界かわら版 ”企業の存在意義が問われる時代、
東商で「企業行動規範」厳守を提示”
人口の減少が現実になっている今、自動車整備業もマーケットサイズがハイスピードで縮小しつつあるようです。本誌3月号でもお伝えしているように整備産業のサイズである昨年の「総整備売上高」は20年以上前の規模にサイズダウンしています。
こうしたマーケットで生き残る為には、市場の獲得競争に勝ち残るか、新たな市場を開拓するか、サイズに合わせた規模コストなどに引き下げるかなど、従来以上に大切になっているということでしょう。
最近、東京商工会議所が企業行動の有るべき行動規範をまとめて会員企業に提示しています。企業を取り巻く社会環境が変化し、そこで生き残る企業としての「社会的責任」を持つ大切さを訴えているものです。自動車整備業が存在する意義を追求する「道しるべ」にもなるものであり、ここに紹介しておきます。ついでに、実践するポイントとして①企業トップの率先垂範が大切、②不祥事の未然防止には社内の風通し改善、③業務上必要な法令を確認・フォローし、周知徹底する、④日々の着実な実践、が大切であることも訴えています。
◎企業行動規範=東京商工会議所
企業は、人権の尊重、法令・国際ルールの遵守はもとより、高い倫理観を持った事業活動を通して、社会の持続可能な発展に貢献することが求められています。本規範は会員企業が遵守すべき事項を定めたものです。
法令の遵守
1、人権の尊重
2、環境への対応
3、従業員の就業環境整備
4、顧客・消費者からの信頼獲得
5、取引先との相互発展
6、地域との共存
7、出資者・資金提供者の理解と支持
8、政治・行政との健全な関係
9、反社会的勢力への対処
整備工場・鈑金塗装工場元気通信
”価格と品質がベストマッチのリビルト品で顧客との距離を縮める!”
千葉県と茨城県の境目にある利根川、この千葉側にあるのが㈱小見川自動車整備センター(代表取締役社長 佐藤房之助)だ。創業は昭和39年12月でもう間もなく50周年を数える老舗工場でもある。50年の歴史を感じさせない設備と卓越した技術を持ち合わせており大型車の入庫もある。
しかし現在では効率化を狙って中型車以下普通車などの入庫促進をしている。大型に関しては上得意客からのみ受け付けている。その中で整備に入る車両は≪まずはリビルト、次に中古、なければ新品≫という明確な優先順位がついており、お客様対応の中で価格面を抑えながら満足してもらう方法を取っている。顧客満足度の向上のためにリビルト品や中古品が役だっているのは言うまでもない。入庫の6割は一般整備ということもあり全体的にリサイクルパーツを使う比率は高い。マツダオートザムの販路ももち合わせており車販にも強い一面を持つのも特徴だ。
「ハイブリッド車など最新の車はいじるところがほとんどなく、いじるにしても専用のツールや情報が必要になるなど、ディーラーの囲い込みが厳しいですね。こうした姿勢に対して、団結して声を上げていくことが必要だと思います」と佐藤尚武専務取締役。昨今のクルマ事情に関して自社はもちろんのこと、車業界全体で取り組んで時にはメーカーに対しても声を上げることを提唱している。