上期の新車販売2年ぶり前年超え
2019年の上半期(1~6月)の新車販売台数が、前年を上回る275万3419台となった。2年ぶりの前年超えで、軽自動車が3年連続、登録車2年ぶりのプラスとなった。ただし、6月単月では3か月ぶりにマイナスで、10月の消費税増税を控えていることもあり下半期の新車販売は厳しい観測が強くなっている。
ブランド別では、トヨタ、ホンダ、スズキ、ダイハツ、三菱、いすゞ、日野などが前年を上回ったが、日産、マツダ、スバルが前期を下回った。
2019年上期の新車販売台数(速報)
エーミング未実施は不合格に対応せまられる大手指定工場
2024年から、いよいよ車載式故障診断装置(OBD)を活用した車検が開始されます。対象車種は、2021年10月以降の新型車(輸入車は2022年)で、スタートは2024年10月開始を想定しています。具体的には、エーミング作業未実施の場合、DTCが故障コードと表示されるため、車検を通さない対応をとることになるようです。
エーミング作業は、自動ブレーキなどに用いられるミリ波レーダーやカメラなどの検知デバイスを初期化する工程を指している。部品の取り外し、交換、修正などの整備や鈑金作業後に、必ず検知デバイスで正しく作動するための校正作業が必要となるわけです。フレーム修正や鈑金作業後はもとより、フロントガラスを交換したり、バンパーを脱着しただけでもエーミング作業が必要となります。
また、エーミング作業するためには、スキャンツールをはじめ、自動車メーカーごとのターゲット・リフレクター、水準器、デジタル角度計、自動車の整備書の他に、水平床面で周囲に反射物・光沢物のない広い整備室など設備を用意しなければなりません。もちろん、こうした装置類を使って修正する技術も修得する必要があるわけです。
現在、整備業界では車検整備(一部は鈑金塗装作業)を主力商品として集客しているだけに、こうした作業は当面の間、外注で乗り切ろうという動きがあります。こうした姿勢が自動車ユーザーに広まると、最初から、作業に取り組む工場、あるいはディーラー工場が圧倒的に整備シェアを獲得するチャンスとなる向きもある。
どちらにしろ、5年後には大きな変動があることを想定して、自社対応をどうするか、早期に決定しなければならないことを自覚したい。
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三代目社長のチームづくり成功
商業車の納期厳守など信頼感生む
千葉県市川市行徳で整備工場を営んで約半世紀、長い歴史を積み重ねてこられたのが野地自動車工業㈱である。現社長の野地謙介氏で三代目というから、地域にしっかり根を下ろした経営を維持されていることが推察される。
同社の主客は運送会社のトラック、路線バスのバスなどの法人客だが、地域の信頼が厚いこともあり、小型の商業車、乗用車の入庫も多い。その背景が、40年以上も勤務している従業員がいるなど、安心して頼める技術力、サービス力、間違いのない納品力などが作用している。しかも、細かく指示しなくても作業回転を効率よく回す、チーム一体感があり、残業になることが少ない。時間を優先される商業車を主客の工場としては、珍しいほどの作業の進行管理の成功例のようだった。
社員数が11名と目が届きやすいことや、社員が働きやすい環境などにも配慮している社内の一体感づくりが、高効率を生んでいる印象を受けた訪問だった。
(月刊せいび界より転載)