2017年度整備事業処分件数110件
国土交通省が2017年度1年間に行政処分を行った整備事業者が、このほど発表された。処分事例が多い順に見てみると、保安基準適合証の発行停止が最も多く46件、次いで事業停止処分が23件、自動車検査員解任が21件、認証取消処分が11件、指定取消処分が8件、是正命令が1件の合計110件であったとしている。
処分が重い事業者には、処分内容が2件、3件重なったこともあり、処分された整備事業場数では74事業場であった。事業場を東日本地域、西日本地域で見ると東地区の事業場が40%弱、西日本地区が60%強。また、カーディーラーの事業場比率は20%弱で、大半が専業の整備事業場で占められている。
ちなみに2016年度の処分件数と比較すると、91件から110件に処分件数が増加しているため、違反事業場が増加しているように見えるが、実際には事業場への立ち入り検査などに左右されることもあり、年々減少しているとされている。
維持費負担大を感じる割合が増加
乗用車市場動向調査で明らかに
高齢者の増加、若者の車離れ、など需要環境が大きく変化する中で、乗用車市場がどう動くのかを知る「市場動向調査」最新版が、このほど日本自動車工業会より発表された。2017年度版では、保有状況・使用実態・今後の購入意向など時系列の変化を主眼に置いてまとめられている。
1、乗用車の市場動向
全世帯の乗用車保有率、複数保有率の変化を見ると、世帯保有率はピークだった2013年値の82.0%から5%落ちる76.8%。複数保有世帯は、ピークの2011年より約6%ダウンした35.9%であった。複数世帯の2台目が軽自動車に移行する比率が高く、軽自動車の比率を高めている。
一方、非保有理由では維持費負担が大きいとする声が大きく、今後の購入意向を低水準にとどめた。
2、乗用車ユーザーの特性
主運転者に占める高齢者比率が全体の4分の1と高く、今後の市場増加が見込めない影を示している。また、主たる使用理由に占める「買い物・用足し」の比率が高く、主運転者が家計の中心者でもあるところから、維持費に負担を感じる割合が今後の動向に大きな比重を占める予測にもつながっている。
3、購入状況
同タイプ・クラスの車からの代替え中心は変わらず、同時に長期保有を目指す傾向も変わらない回答となった。
4、今後の保有・購入意向
保有の長期化、減車意向そしてダウンサイズ意向は継続している。加えて、次世代エンジン対する関心は高く、約3割に上っている。
整備工場・板金塗装工場元気通信
トップが変われば会社が変わる
専業工場が陥りやすい経営悪化パターンを、僅か1年余りの短期間に成長軌道に乗せた経営者が、今回ご紹介する岡山市の株式会社エコピットの依田靖生社長である。機械工具商社のイヤサカのモデル工場見学に記者が訪問した記事(月刊せいび界6月号)から転載している。
ハード・ソフト改革が功奏す
平成6年に創業したエコピットの経営を任されたのが、異業種から請われて就任した依田社長である。就任した4年半前の同社状況は「悪い会社の見本だった」と当時を振り返る。売り上げは年々落ち、社内の清掃・整理整頓、挨拶もなしという最悪の状況で、いつつぶれてもおかしくない状況だったという。そこから、僅か1年足らずでどのようにして甦らせたのか。記者だけでなく、経営改善に腐心している整備工場経営者なら、だれもが知りたい、学んで導入したいのではないか。
そこで依田社長がとった会社蘇生策を見ると、大きく二つになる。一つがハード面改革、もう一つがソフト面の意識改革だった。ハード面の改革とは、古くなったリフト・工具の一新、机・椅子の設置、照明、明るいペイントなど会社の印象をアップする改革や社員の待遇アップである。
そしてソフト面では、社員へ「商いの基本」を教育し、お客様へ感謝する気持ちを植え付けること、いつも笑顔で応対すること、気持ちのいい挨拶など、徹底的に繰り返し求めた。心は「整備業ではなく、接客業・おもてなし業である」ことを、社員一人一人に吹き込んだという。こうした依田社長の強い思い、お客様、地域社会への感謝、そして社員の幸せを願う気持ちが社員を動かし、僅かの間に会社は優良企業に転じたのである。
依田社長の「社員教育が最優先」の強い思いが貫かれた結果、社員の気持ち、意欲、希望を開花させた原動力となったことを示している。