整備業の困りごと解決に重点施策
日整連では、平成30年度に取り組む重点事業を発表した。それによると、零細企業が大多数を占める整備業者が、現在最も困っている①人材獲得、②新技術対応、③継続検査のOSS対応、そして環境変化に伴い不安定化している④経営の安定策、の4点に的を絞り、対策メニューを打ち出すことで、即効的に進捗管理ができる、きわめて緻密な事業計画を打ち出したものである。
その内容は、関係官庁や部門との連携のもと、迅速にしかも即効性のある対応となるよう、細かく対策目標を打ち立て、その対策ごとに進捗管理を実施する方式。従来の相加的な事業推進策のように効果が見えにくい事業計画と、大きく差があることが特徴。
①人材不足対策 | ③OSSへの対応 |
1=整備士確保対策 | 1=継続検査OSSの運用 |
2=外国人技能実習制度への対応 | 2=利用促進策 |
3=要望と改善策 | |
②新技術への対応 | |
1=教科書改訂・充実 | |
2=整備技術者認定普及策 | ④経営の安定策 |
3=整備主任者研修充実 | 1=経営健全化の推進 |
4=整備技術資料の作成普及 | 2=入庫率向上策 |
5=電子装置整備対応 | 3=ユーザーへの啓発活動 |
6=FAINES内容と利用促進 |
整備売上高は3年ぶり前年を上回る
自動車整備業の経営実態などを示す平成29年度の調査結果が、このほど日本自動車整備振興会連合から発表された。調査は、29年6月末時点の92,001事業場のうち、約2割の事業者に調査し、有効回答事業場(全事業場の約1割)をもとにまとめたものである。
総整備売上高は3年ぶり増加
平成29年度の総整備売上高は5兆4,875億円と3年ぶりに増加に転じたとしています。直近の整備売上高は、平成24年の東日本大震災時に前年を大幅に下回った以降、25年、26年と連続前年越え。しかし、消費税の引き上げ、消費の冷え込みなどの影響もあり、27年28年と連続して前年を下回った。その間、政府が経済活性化策で打ったゼロ金利施策が功を奏して、自動車販売も活気付き3年ぶりの前年越え1.7%につながった。
それを業態別にしたのが表1だが、5年前の売り上げと比べるとディーラーが1,058億円増、専業が849億円増、自家工場が14億円減と、業界間の開きが拡大している。
一方、売上げを作業内容別にしたのが表2だが、車検整備と定期点検整備が46%強と一段と比重が増したのに対して、その他整備が33%、事故整備が20%など年々比重を落とし、いわゆる制度需要への売り上げ依存度が大きくなっていることを示した。
リサイクル部品活用の「感謝状」
リサイクル部品を活用いただいているお得意様に、半期ごとに当社より発行しています「感謝状」を、今期もご購入額の多い上位100社様に配布させていただきました。ご協力いただいておりますお客様各位に心より御礼申し上げます。
100社のうち毎期半数近くの会社様が入れ替わるため、改めて、感謝状発行の意味と活用法をお知らせいたします。
<感謝状発行の目的>
リサイクル部品業界では、かねてよりリサイクル部品を使うことで、地球環境を改善する一助になると訴えてきました。それを数値で示すため、専門大学と共同研究で、CO2削減量を毎月の請求書に添える活動をスタートしました。
それをフロントやお客様待合室などに表示できる「感謝状」なら、整備工場様の努力が報われる、と今に至っています。おかげさまで、沢山の整備工場様も同調くださり、効果をご実感頂いております。
ぜひ、お客様に見ていただくことで、皆様がお客様を思う気持ちや環境問題に熱心に取り組む姿勢をお伝えくださる一助に、ご利用くだされば幸いです。
整備工場・板金塗装工場元気通信
カーライフのすべてに応える店
愛媛県・月原自動車㈱が目指す先
愛媛県今治市、新居浜市で整備工場を創業して36年、地元では大手整備業とされているのが月原自動車㈱(月原正志社長)である。「お客様の要望にはNOと言わない」を貫いてきた月原社長の経営方針が、いまでは地域のお客様に浸透、きびしい環境下でも企業成長が著しい。
軽自動車の未使用車販売店を3店、車検のコバック店を2工場、鈑金塗装工業兼ロードサービス、レンタカー事業を行う1店の合計6店舗を40名の社員でカバーして存在意義を高めている。「技術はもちろん、精神を磨く日々の練磨と研鑽をつむ努力を惜しみません」(月原社長)、こうした努力の甲斐あって、コバック店3店目を最近オープンさせたばかり。
「車検台数もすでに5,300台を超え、2020年には7,000台達成も視野に入っている」というから、驚異的な発展ぶり。社屋の上に広がる青空が、会社の発展を祝福しているかのように感じたのは記者だけだろうか。
(月刊せいび界より転載)