中小企業ほど景況感悪化を示す
マイナス幅が過去最低3県を記録
関東財務局が管内法人企業の景況感を調査集計し、6月11日発表しています。それによると、1都9県の4~6月の景況判断指数(BSI)は、全産業でマイナス50.7%となり、2004年の調査開始以来、リーマンショック時についで2番目に低い水準を示した。
BSIは、景気を判断する指標の一つとされ、1年を4期に分け、1~3月期、4~6月期、7~9月期、10~12月期ごとに企業の景況感を調査しているもので、売上高、利益、従業員数の増えた場合は景気が上向き、減った場合は景気が後退していると判断される。今期は、減ったとする回答が多く、景気の後退がきわめて深刻な状況にあることを示した。それも、前回調査(1~3月)に比べて36.0ポイント悪化と、下げ幅では最大となっている。
企業の規模別では、中小企業が最大のマイナス61.7、中堅企業がマイナス51.1、大企業がマイナス44.8の順と、規模が小さい企業ほどより深刻度が強く出ている。コロナウイルスの影響が余力資金が少ない弱小を直撃しているだけに、迅速な政府の支援策をより迅速に手当されることが望まれている。
持続化給付金もありますよ
月の売上が半減した事業者に給付
給付金は、対象企業ならだれでも「もらえるお金」ですし、お金の使いみちは自由という施策ですから、ぜひとも取り組みたい政府の支援策の一つです。中小法人と個人事業者に申請を認めており、2020年1月以降、新型コロナウイルスの影響等により、「前年同月比で事業収入が50%以上減少した月があること」の条件があります。つまり、2020年1月から12月のいずれかの月で半減していれば、給付対象となるのです。
なお、個人事業者の場合は、白色申告しているか、青色申告決算書を提出しない個人、青色申告しても月間事業収入の記載がない個人事業者の場合は、「前年同月比」ではなく、「2019年の月平均事業収入」と対象月を比較することになります。
給付金は、法人には上限額200万円、個人は100万円となっているため、中小法人の例で、「前年の事業収入-前年同月比50%未達月の売上×12カ月が、200万円に満たない場合は、その満たない金額が支給額となるわけです。
例えば、1月~6月で次のような場合で見てみしょう。
該当の整備工場の場合、4月の売上だけが昨年に比べて半減しています。その後、6月の売上は今年の方が上回っています。実は、給付条件には「前年同月比で50%以上減少した月があること」とあり、その月の売上で計算して348万×12月=4176万円ですから、
前年売上5507万―4176万=1331万円となり、法人なら200万円、個人事業なら100万のが給付額を上回っているので、満額給付されます。
1月~6月の売上が半額に達してない場合は、昨年の7月~12月売上高から達成しそうな月までまって、申請しましょう。(申請期限は2021年1月15日) とくに、前年に何かイベントを実施したり、キャンペーンを打って収入が大きく収入をを伸ばした月があると、その月は該当する月となりやすいので注意しましょう。
なお、小規模事業者向けに平成25年から実施されている「持続化補助金」(投資補助金)と名称が似ていますが、内容はまったく違うものと認識しましょう。
★夏場のマスクは使い分けを★
新型コロナウイルスの感染防止にマスクは有効ですが、夏場にマスクを着用することで、熱中症を引き起こすおそれもあります。
厚生労働省も、「屋外で人と十分な距離が確保できる場合にはマスクを外すこと。高温多湿の中でのマスク着用は体に負担になるので避けてほしい」とコメントを発表しています。
屋外で他の人と2メートル以上の距離が取れる場合はマスクを外すこと、着用時には負荷のかかる作業や運動を避け、適宜外して休憩を取ることの推奨、エアコンによる温度調節やこまめな水分補給など、従来の熱中症予防策にも取り組むことを求めています。
熱中症にも注意しながら、コロナ対策に取り組んでいきましょう♪
特定整備認証取得が動き出す
既存の整備業だけでなく周辺に波及
4月1日より改正道路運送車両法が施行されて以降、注目されていた特定整備認証取得が進んでいなかったが、全国の緊急事態宣言が全面解除されたことから様相が一変している。停滞していた整備振興会の説明会や整備主任者の資格講習会が再開されたこともあり、急劇に認証取得を目指すディーラー、専業の指定工場が動きだしているからだ。
特定整備制度については、本誌4月号で取り上げた時も多くの事業者から問い合わせや質問をいただきました。多くは「どのくらい認証取得する工場が出そうか」でした。明確な状況をお答えすることが出来ませんでしたが、いまでは年内に数百工場できるほど各地の盛り上がりが高まっていると見ています。
おもな理由は、➀オートバックスセブンが全国の指定整備工場に、2021年9月までに特定整備認証取得する計画がある、②エーミング作業を請け負う次世代整備ネットワーク構築を目指す日本技能研修機構(JATTO)が一次会員募集で60社を超える応募でスタートしていること、③事業基盤を強化できるチャンスとみている板金塗装事業者が、特定認証が千載一遇のチャンスと見ている、など駆ってみられないほど熱が上がっていることなどである。
いままでにないこうした動きが生まれているのは、まったく新しい電子制御装置の整備が生まれることにより、長く分解整備業が牛耳ってきた既存の整備業界だけでは対応できない、と見られていることも影響している。そこで、国土交通省でも新しいプレーヤーの参入を促すため、緊急自動ブレーキやレーンキープアシストなどの先進運転支援技術を整備できる事業者、あるいは自動運転車に装着されるカメラ、レーダーの整備、改造などの自動運行装置を含む特定整備に対応できる新しい認証取得事業者に参入の機会を広げたと解釈されている。
認証とは無縁とされてきた鈑金塗装業、電装整備業、ガラス交換業を含めて、関連業に特定整備への参入機運がでていること、その他、部用品販売業、ガソリン販売業など周辺業者や、まったく新しい事業者に特定整備認証に参入しようとする機運が広がり始めているも注目されている。